ICT支援員 悩み

ICT支援員が悩む?5つの壁

どんな仕事でもそうですが、必ず「壁」は存在します。ICT支援員も「壁」が存在しますが、全国で3500名ほどしかいない(2021/11現在)といういまだに認知されていない職業であり、「仕事術」のような本で解決できることばかりでないのも実情。そこで、現役ICT支援員の私が、感じた「壁」をまとめてみました。

壁1:先生たちと会話するのが難しい

ICT支援員が口を揃えて悩みごとの1つに上げるのは「先生たちと会話ができない」ということです。でも先生たちに問題があるというよりも、「学校」という状況がそうさせざるをえないということもあります。

ICT支援員ハンドブックではこんなことを述べていました。

「多種多様な業務をこなしている教員にとってICT支援員とのコミュニケーションは、優先順位の中で扱われることを自覚していないとトラブルになります。教員にとっての最優先事項は子供に関することであることを理解しておくことが、教員とのコミュニケーションを円滑にします。」

もしこれから、ICT支援員になりたいと考えておられる場合、このことを「肝に銘じておく」ことをお勧めします。そうでないと仕事をしたいと思っても、先生たちから指示が来ないし、ずっと暇ということであったりします。その時に、「先生方に嫌われているのかも…」と自分を責めてしまったりすると、仕事をつづけていくのが難しくなるかもしれません。

壁2:生活のための仕事なのに勉強代がかさむ

どの仕事を持っている方もそうですが、ICT支援員も生活のために仕事をしています。

ですが、私が経験している仕事の中でもダントツに勉強代が必要とされる仕事です。というのはタブレットやアプリ・ソフトを揃えたり、その関連の書籍を読んだり、また研修に行ったりと、毎年知識のアップデートを必要とされる職業だからです。しかしその割には事務職の派遣、パート並みの時給という条件も少なくありません。所属会社が研修や書籍代などを持ってくれるということもあるようですが、研修はあっても、書籍代は持ってくれない、資格を取るための勉強代を出してくれるという会社もあります。

ですが、コロナ禍で特に増えたのが、オンラインイベントです。大抵無料、もしくはかなり安い金額で、スキルアップを図れます。そういった状況を上手く活用できるかが、分かれ道です。

壁3:仕事仲間・先輩・上司に相談しづらい

また会社に直接行かず、自宅から直行直帰というICT支援員の特殊な仕事形態も問題を大きくしてしまうことがあります。特に「先生と上手く話せない」「トラブルが発生した」「使っているシステやアプリなどが変わった」という場合、通常の会社、現場で働いていれば、仕事仲間、先輩、上司に気軽に相談できます。しかし「お客様先」に自宅から直行直帰するICT支援員は、気軽に相談する仲間、先輩、上司を作りにくいところがあります。またコロナ禍で実際に会う機会がますます減り、LINEやzoomなどで相談しにくいことをためこむことも考えられます。

壁4:何年勤務しても「居場所」がない

これは月1回、多くても週1回というICT支援員の勤務形態も関係していますが、何年勤務しても、ロッカールームや机、下駄箱もありません。ずっと「来客用」のものを使い、そして机もその日指定された場所に座ります。それで同じ時期に入社した同僚は、そのことがずっと引っかかっていたようです。「通常ならパートでも何年か勤務したら先輩として大事にしてもらえる。また自分用の机もある。でもこの仕事は何年勤務しても契約形態にかわりもなく、自分の机もない。」と言いました。


私はあまり気にならない点ではありましたが、会社に「自分の居場所」が欲しいと思われる方にはお勧めしにくい職業です。

壁5:しっかり稼ぎたい人には不向き

また勤務してわかることですが、ICT支援員には「コミュニケーション力」、「強いメンタル」「体力」が必要です。


というのもまず勤務地がバラバラで、別々の学校を月1回、多くて週1回、巡回します。電車、バスなど乗り継いでも、駅から大抵の場合学校は離れているため、徒歩で20分歩く、ということもあります。
学校自体も広く、エレベーターがありません。そのため歩数計で測っていると、自宅から学校まで歩き、さらに学校内も歩いているので、一日に10000歩を軽く超えることもあります。
そして特に小学校では風邪・インフルエンザの流行の際学校中で蔓延し、そして大人のICT支援員を直撃します。私もICT支援員になりたての時、1月に2回高熱を出す風邪をひきました。しかしある程度勤務すると、免疫がつくのか、風邪をひく回数が減りました。


また勤務地がバラバラで月1回、週1回というのは大変体力が必要になります。それで、週に5日、別々の学校にいくとなると、脳の疲労、精神的疲労、体力の減りは想像以上で、そのため集中して「しっかり稼ぐ」働き方をしたいという方にはあまりお勧めできません。

まとめ:長く続けるには「壁」を理解することから始めよう

この記事を読んでおられる方には、今の仕事を辞めてICT支援員になりたいという方もおられるかもしれません。確かにある程度IT知識をお持ちで、コミュニケーション能力がある方は働くことをお勧めしたい職業です。しかし続けるのは簡単ではありません。


ある統計によると、ICT支援員能力認定試験を受けた約半数が、現在はICT支援員ではなく別の仕事をしているということでした。その理由のなかの1つが今までにあげた5つの壁の1つに含まれるのかもしれません。


しかし私が今までで働いた仕事で一番長く続いている仕事です。その中で感じた利点は別の記事で。

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