私は自称お人好しです。
困っている人を見るとおせっかいを焼きたくなり、「助けて」とお願いされると断れません。
それはプライベートだけではなく、支援の時もいかんなく発揮されます。
●約2kg✖️20台のパソコンを1人で3階から1階まで運ぶ(階段で)
●「家電量販店で修理に1万円かかると言われて…なんとかならないかなぁ?」と困った顔して頼まれたものを1分で直す
他にもベテラン支援員(20年以上支援の仕事をしている)にお聞きしたところ
●草むしり
●学校で開催するお祭りのお客様(さくら)として歩くことを頼まれる
●ICT機器の整理整頓のため,DIYで収納用の棚を作った
などがあったそうです。
私はこの状況を「デジタル家政婦(夫)」と呼んでいます。
もしくは「デジタル便利屋」かもしれません。
しかしそれはICT支援員の本来の仕事「ICTを活用して教育の水準をアップする。そのための支援員」の目的とあっているでしょうか?
どうしたら「便利な人」から「活用されるICT支援員」になることができるでしょうか?
目次
自分のスキル・資格
その仕事はあなたでないとできないもの?
なんでも引き受けてしまうお人好しな人には共通点があります。
それは自分のスキルを「過小評価」していることです。
そしてそれが高じると自信を無くしてしまい、先生から依頼された内容をなんでもしてしまう…。
もちろん先ほど考えたように、能力を十分に活用しているならそれは素晴らしいことです。
もしかしたら整理整頓がとてもうまくて、そちらを活用して、ICT機器を整理整頓するシステムを作り出せるかもしれないし、家電修理がうまくて重宝されるというのも能力を活用しているともいえるかも知れません。
ちなみに「活用」と「便利」という言葉には違いがあります。
活用 物や人の機能・能力を十分に生かして用いること。効果的に利用すること。「学んだ知識を―する」「資料を―する」
便利 目的を果たすのに都合のよいこと。あることをするのに重宝で、役に立つこと。また、そのさま。「生活するのに―な所」「―な調理器具」「地下鉄ができて―になった」
Goo国語辞典より
ICT支援員と、ICT機器に置き換えるとどうなるでしょうか?
「活用」とは「ICT機器、ICT支援員の能力をよく理解し、それを十分生かして用いる」となります
「便利」遣いとは「機能・能力をよく理解していないが、とりあえず使う。誰がやってもできる仕事をしてもらう。結果ある程度の役には立つし重宝される」ということと定義できます。
私はこの比較を見て、ドクターXの決め台詞の一つ「いたしません」を思い出しました。
主人公の大門未知子はなんでも引き受けるのではなく、「医師免許が必要なことはやる。そうでないことはやらない」とはっきり断っていたのです。
私はこの仕事をしていて「先生方の役に立つのが仕事。そのためなら雑用も喜んでする!」と思っていて、ずっとそのスタイルで仕事をしてきましたが、今回このブログ記事を書いて、スタイルを少し変えようと思いました。
と言っても大門未知子のように雑用などを「いたしません」とは言えません。
また先生方のお役に立ちたいとも心から思っています。
どうしたらいいのでしょうか?
まずは自分の「できること・スキル・資格」を棚卸ししてみましょう。これは自分を「活用」するためにとても大切な作業です。
私はICT支援員の仕事をする前にパソコンインストラクター、システム会社の営業事務、不動産会社での事務、のちにWebデザイナーも兼任していました。
今の仕事ICT支援員になるきっかけは「パソコンインストラクター経験優遇」とあったからです。
インストラクターだけでなく,のちに事務職についたおかげで,先生が校務で困ったとき寄り添ったサポートができていると感じています。
その他にも本を読むのが好きで、文章を書くのも好き。
それがこのブログを始めたというきっかけです。
今までどんなミーティング、勉強をしてきましたか?
どんな資格を取得しましたか?それらを書き出してみると自分のスキルを棚卸できます。
それらを職務経歴書のようにまとめておくと良いかもしれません。
ICT支援員4大業務
依頼を受けたらどの分野に当てはまるか考える
①環境整備
②授業支援
③校務支援
④校内研修
これらがICT支援員の4大業務と言われています。
今学校で頼まれているお仕事をこの4大業務に仕分けてみましょう。
もしこの4大業務以外に仕分けられないお仕事が多くなってきたら、それは「活用」ではなく、「便利」な人になっているのかもしれません。
私は現在12校担当していますが、この4大業務で一番力を入れているのは「環境整備」です。
その中にはパソコン室の清掃やタブレットなどの端末の清掃、メンテナンスが含まれます。
(※契約内容によって異なります)
これらは一見雑用で、「進んで便利づかいされているのでは?」と思う方もおありかもしれません。
しかし必ずしもそうではないと考えています。
パソコン室が綺麗でよく整頓されているところは、授業や、クラブ活動でよく使われます。
そこから自然とICT教育につながります。
またタブレットを清掃・メンテナンスをしていると、ICT教育が活発な学校、そうでない学校を見分けることができます。
ICT教育が活発でない学校は、もしかするとICT機器がしょっちゅう不具合を起こしたり、使いにくいということで、活発でないのかもしれません。メンテナンスの際に「この端末使いにくいところはありませんか?」と聞くことで、ICT機器を積極的に活用する糸口を発見できることもあります。
メンテナンスをしている途中で重大な不具合などを発見することもできます。
早期発見は、とても大切な仕事の一部です。
授業中にトラブルがでたら、授業が滞ってしまうからです。
①の環境整備に力を入れていると、その姿を見た先生から②〜④の業務も頼まれやすくなると感じています。
どんな仕事を依頼されたとしても、まずはこの4つのどれに当てはまるか考えてみましょう。
それはプロとして必要な「目的意識」につながります。
他者評価で自分をチェック
ICT支援員ハンドブックを活用しよう
プロは他者評価を大切にします。
支援員には他者評価される機会がなかなかありません。
ICT支援員認定資格はあっても、なかなか他者目線での評価をもらうことができません。
そのため、先生方から頼まれると「依頼された!」ということに満足感を得て、それが便利遣いなのか、活用なのかを考えずに仕事をしてしまうこともあります。
もちろん依頼された内容は大切に契約内容に基づいてできるだけ行います。
その上で今の自分のスキルは?と客観的に評価をすることも大切です。
これはなかなか大変な事です。私もいまだに自分を客観的に評価することはできません。
そんな時私はICT支援員ハンドブックを活用しています。
5つの分野を21の項目に分けてチェックできるので,今の自分の立ち位置がわかります。
“ICT 支援員に期待する資質能 力の目標規準として、Second Stage(教職員と連携して業務ができる)を用意しました。そして、 Second Stage との比較において、評価基準として、下位レベルの First Stage(教職員の依頼に 応じて業務ができる)、上位レベルの Third Stage(教職員に対して専門的な立場でアドバイスが できる)が用意されています。“
ICT支援員ハンドブック

また研修がある会社は積極的に参加しましょう。
先輩,初心者など色々な立場のICT支援員がいる場所は,いいお手本が揃っています。
そのような場で「自分の今の状況」について話すともしかしたら良い「他者評価」をもらうことができるかもしれません。
最終目的地は「ICT教育の専門家」
ICT支援員ハンドブックではthird Stageとして「教職員に対して専門的な立場でアドバイスができる」ことが求められています。
ICT支援員は教員ではありませんが,ICT教育の専門家であること,そして教員にその立場からアドバイスできるようになるのが最終目的地です。
先生たちから「便利な人」と思われるのは,ある意味「依頼しやすい人/近づきやすい人」と見られているので,決して悪いことではないのかもしれません。
でも日々支援の時は、自分は「ICT教育の専門家」と自信を持って仕事をしていきたいと思います。
またプロという意識や自信を持つ時には資格を取るのも有効です。
