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学校工事の騒音 苦情の連絡先は?

私が担当している学校で実際に起きた事例です。
このことをなぜ記事にしたかというと、日本の学校自体の建物が老朽化が進んでおり、築年数が25年以上の施設の約9割を占めているため、これから大規模修繕工事が色々な学校で行われることになり、この問題は頻発すると思ったからです。 この記事では実際に学校の工事で騒音が出た場合、苦情はどこに連絡したらよいかを考えます。

結論:学校に連絡→工事会社に連絡しなおすことになる

早く苦情を解決してほしくて学校に連絡しているのに、工事会社に連絡しろと言われる。それは責任のたらい回しだし、冷たいと感じるかもしれません。しかし、理由1でもあげますが、校舎・土地は公立学校の場合、学校の持ち物ではありません。そして学校の修繕・修理自体が学校が発案・企画するものではありません。

理由:校舎・土地は公立学校の場合、学校の所有物ではない

学校の設置者とは、設置する学校の土地や建物などの財産を所有・管理し、その学校を直接運営する者を意味します。学校教育法第2条第1項では、学校の設置者を、国(国立学校)、地方公共団体(公立学校)、学校法人(私立学校)に限定し、学校教育の公共性、安定性、継続性を担保しています。公立の初等中等教育学校の場合、設置者は地方公共団体の教育委員会であり、それらの学校の管理を行う権限をもっています。

https://book.jiji.com/seminar/limited/column/column-2879/


公立学校では「〇〇県立」「〇〇市立」とあります。その名前がついている時点で、その学校は「校長を含めた教職員」のものではなく、「〇〇県」「〇〇市」のものです。

持ち物が、「〇〇県」「〇〇市」のものであれば、修繕・修理、もしくはそれに伴う責任は発注者が負う必要があります。私が担当している学校で、「建築計画のお知らせ」を見ていた時です。建築主の部分が「〇〇市役所」の住所で、氏名が「〇〇市長」の氏名になっていました。もし学校関係の建築計画のお知らせがあれば必ず見ておかれることをお勧めします。例外もあり、特に私立学校の場合が多いのですが、建築主がもしその学校の住所で、氏名も校長名であれば、苦情の責任はその学校が負います。

対応1:まず落ち着く

といっても落ち着いて苦情できるぐらいならそもそも電話していない!とイライラされるかもしれません。

これは私事ですが、私もマンションに住んでいます。そして階下に住んでいる方から、ドスンという音や、ものをどんどん叩くような音がするとクレームを受けました。しかし家族は皆成人していて、子供もいないのでなぜそのようなクレームを受けるのか、嫌な思いをしました。ところが自分の家でも音がすることに気づき、試しに記録をつけてみると意外なことに気がつきました。1週間に1日または2日おきに、夜19時以降になると音がし、それが上階から聞こえるというものです。それがわかるだけでも、もちろん自分や家族に責任がなくても、その音が階下の人にも響いて嫌な思いをしているのだなという相手の気持ちを理解することができます。
学校の工事は騒音も気持ちがイライラし、腹立たしいものです。

でも早期解決のためにもまずは「落ち着く」ことをお忘れなく。

対応2:騒音を視覚化する 記録はなぜ有効か?

例えば東京都の例ですが、建設の騒音について取り決められている条例は以下のとおりです。


・工事の時間帯(のべ作業時間):午前7時から午後7時までのうち10時間以内
・連続作業日数:連続6日まで
・日曜・祝祭日:作業禁止
・騒音の上限:85デシベル

https://bengoshihoken-mikata.jp/archives/9079

つまりこの条例を守って工事をするなら、もし裁判沙汰になったとしても、工事会社の方が有利です。
しかし条例を守って工事をしていたとしても工事の騒音にイライラさせられることに変わりはありません。その際、記録をとっておくことをお勧めします。


例)2021/11/19 12:14〜 
ギリギリギリというようなものを切る音で、
テレビの音が聞こえずイライラした。

そういった記録をとっておくことで、工事会社に騒音の苦情を伝えるときも、落ち着いて伝えられます。また建設会社では同じ人員が同じ作業をずっと行うのではなく、大抵の場合「分業制」をとっています。そしてその現場には1日だけ、もしくは数時間だけしかいないという場合もあります。(家族が建設関連なので、実際に聞いた内容です)

たんに騒音がうるさいという苦情では動いてくれなくても、どのような音がしたのか、何時にしたのかと記録があることで、騒音を出している機械・人物を特定できます。それで施工会社も注意がしやすくなります。

対応3:建築計画のお知らせで施工者を確認

工事現場で必ずといっていいほど目にするものがあります。

これは地方自治体で設置を義務付けるか、そうでないかを判断し、設置します。しかし大抵の場合は設置されていることが多いです。というのも学校の場合もそうですが、大きな建物が建築、または修繕するときはトラブルがつきもので、紛争も絶えません。そのためこの看板を設置し紛争を予防することになっています。


建築計画のお知らせを見たときに、建築主、設計者、施工者の3つになっていることがわかります。

公立学校の場合、県、または市などの地方自治体の首長(県知事、市長など)が建築主になっているので、ここに連絡するなら、解決までに時間がかかることが予想されます。設計者も建物の設計だけ担当しているので、実際の工事の責任者ではありません。それで施工者に記載されている住所、氏名、電話がありますので、そちらに連絡しましょう。


しかし先ほども述べたように地方自治体の条例に設置を義務付けていない場合はどうでしょうか?その場合は学校に連絡し、施工会社の連絡先を聞きましょう。

まとめ:落ち着いて騒音の記録をとり、施工会社に連絡しよう

騒音は、色々なトラブルでもかなり嫌なものです。しかし少しの冷静さを取り戻して苦情すると感情的になって苦情するより解決が早くなります。

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