前のページでは小学校低学年の支援は一筋縄ではいかない3つの理由を説明しました。
今度は高学年向けの支援のポイントをお話しします。
ポイントは「目新しさ」そして「幅を持たせる」を意識することです。
ここでは、実際に支援の際使っているサイトもご紹介しています。
目次
小学校高学年と低学年はどう違う?
「脳が喜ぶ子育て」という本では小学校高学年の脳についてこんなことを書いています。
前頭葉が発達して自分自身を探っていく時期。思考系脳番地の旬が始まる。脳の個性ができはじめ、自己主張をしたくなる時期。自分なりに思考をめぐらせる時間を持たせる。
ところが実際にクラスを見渡してみると、思考系脳番地が活発だと思われる生徒さんは指示より前に自分の興味関心のまま操作をし始めますが、まだ指示待ちの生徒さんも多くいて、支援が難しいという状況が見受けられます。
そのため、「自分で考えて行動できる」生徒さんと、「先生の指示があって行動したい」生徒さんの両方が満足できる支援が必要になってきます。
その2つの相反するニーズを満たせるのが「目新しさ」と「幅を持たせる」ということです。
目新しさ
今までICTに力を入れてきた学校ほど、この「目新しさ」を求められる傾向があります。というのは一通り基礎的なICT活用はやってきたと思っている学校は「もっと新しくて良いICT活用はないか」と探しているのが全体的な傾向だからです。またICT活用に力を入れてきた分、低学年で一通りのアプリやサイトを経験し、児童が飽きてしまっているケースが見受けられます。
目新しさを演出するには「いままでやってきたICT活用を聞いてみる→方向性を変える」という方法があります
例えばお絵描きアプリを一通りやり尽くしてしまったと言われた場合、その学校はどのようなアプリ、サイトをよく使っているでしょうか?私が担当していた学校では日本で開発されたアプリ、サイトをよく使っていることが見受けられました。それである程度知られていつつも、日本製でないアプリ、サイト(安全性に考慮しつつ)を提案しました。
https://canvas.apps.chrome(GoogleCanvas)
幅を持たせる(事例紹介)
これは小学校3年生からの支援の際に意識した点です。特にタイピングとプログラミングでこの傾向が顕著に現れると実感しています。タイピングの場合は日常的にキーボードを使って文字入力をしている生徒さんと、なかなかいまだにタイピングに慣れない生徒さんの両極端に幅が分かれていくからです。
プログラミングの場合は「自分で考え操作できる」生徒さんと、「先生の指示に従って操作したい。自分では思いつかない」という生徒さんの両極に分かれがちです。
この幅はサイト、アプリを選定することである程度解消することができます。
タイピング
寿司打 難易度☆☆☆
小学校高学年、中学生が多く利用しています。逆に小学校低学年に提案すると「先生難しくてできません」という声が上がって先に進みません。
しかしある程度タイピングできる生徒さんがいるクラスでは大変好評です。ゲーム感覚でタイピングができるのと、3000円、5000円、10000円コースと選べるのでちょっとしたお金持ち気分も味わえるからです。
My Typing 難易度☆〜☆☆☆
まず自分のタイピングレベルを診断できます。それに合わせてタイピングメニューが出てきます。ゲーム性は低いですが、まずタイピングの手始めとして年度初めに提案すると良いでしょう。
桃太郎たいぴんぐ 難易度☆〜☆☆☆
RPGとキャラクター育成もできてゲーム感覚で知らずにタイピングも上達できるので低学年からおすすめできるサイトです。また上達が進むとストーリーもキャラクターも変わっていくので、タイピングが上達している生徒さんも満足できます。まだタイピングが苦手な生徒さんには、「どの指でどのキーを押すか」をそっと教えてくれる機能もあるので安心してタイピングができることでしょう。
プログラミング
プログラミングは特に「自分で考えて行動する」という思考系が必要な技術です。そのため、思考系が発達している生徒さんはどんどん「自分で考えてプログラミング」していきますが、まだそこまで思考系が発達していない生徒さんや、あまりプログラミングに興味のない生徒さんが置いてきぼりになってしまいやすい分野です。
そのため、「自分で考えてプログラミングできる」生徒さんと「指示に従って作業する」生徒さんが両方満足しやすいプログラミングを集めました。
ワンダスクール プログラミング部 難易度☆〜☆☆
バンダイによるプログラミングの総合サイトです。
プログラミングについて理解していない低学年の方や、プログラミングの理解度が低い場合はまずドラえもんプログラミングを体験してもらうと良いでしょう。
そのあと「すたたんのおかしのめいろ」、「ぶんぶん世界旅行」まではログインがなくても利用できます。
プログラミング手始めにおすすめなサイトです。
ビスケットViscuit 難易度☆
プログラミングを全くしたことがない生徒さんには、こちらのViscuitがおすすめです。
文字の指示もなくプログラミングができます。
ただ「自分で考えてプログラミングできる」生徒さんは簡単すぎて飽きてしまい、「先生や画面の指示に従ってプログラミングしたい」生徒さんはどうやったらいいか分からず固まっている姿も見受けられます。
Hour of Code 難易度☆☆〜☆☆☆
ある程度「自分で考えてプログラミングできる」生徒さんも、そうでない生徒さんも盛り上がれるのが、Hour of Code です。
特にディズニーのキャラクターのアナとエルサが雪の結晶を作り出すプログラミングは、生徒の誰もが夢中になって取り組んでいます。
Code with Anna and Elsa - Code.org
気をつけなければいけないのは、ログインをしないと入れない生徒さんもいます。またになることが多く、日本語に変換する手間があります。
scratch 難易度☆☆〜☆☆☆
スクラッチは、アメリカにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが開発したプログラミング言語であり、プログラミング学習ソフトです。ブロックを組み合わせることでプログラムを作る「ビジュアルプログラミング」の1つであり、直感的にプログラミングができます。
プログラミング教室ならQUREOプログラミング教室
こちらもビスケット同様、自分で考えてプログラミングするという力が求められます。
しかし世界中で親しまれているプログラミング言語のため、すでに作られたプログラミングを自分好みに改造することができます。
文部科学省でも「小学校プログラミング教材」を提供しています。
下記では動画でプログラミングを見られるので、授業の始めにこちらを見てもらってから操作するのも良いでしょう。
小学校高学年では「自分で考えて操作する」「先生の指示に従う」両方の対応が必要
10歳を超えると人間の脳は今まで視覚、聴覚から情報を取り込むのがメインだったのが自分の考えで行動するという大人の道へ歩み出します。
しかしまだ成長が追いついていない生徒さんもいます。
両方の対応をするために授業支援に「目新しさ」、「幅を持たせる」ことが必要です。